こんにちは、メタバースでイベントを作ったりしているフォンです。
今回はSandbox(サンドボックス)のアルファ版を遊んでみて分かった、メタバースマーケティングの面白さについて説明します。
さっそくですが、「クリエイターが成功すれば、Sandboxは成功する」とは、サンドボックスの共同創設者Sebastien Borgetの言葉。
他のどんなゲームよりも、The Sandboxは革命的です。
- 誰でもクリエイターなりやすいように、無料Editorツールの充実
- Sandboxで収入を得れるように、Fundの設立
- LANDとNFT売上の50%をクリエイターのために回す
- マーケットプレイスでのNFT売上は、95%がクリエイターに※1
※1:現在はFund支援を受けたクリエイターの提出作品のみ販売できます
ここまで、クリエイターを保護しているプロジェクトは珍しい!
いったいどのような戦略でマーケティングを行っているのでしょうか?
分かってきたのは、「最初からクリエイターを集めていない」ということ。
Sandboxは、ユーザー(プレイヤー)→クリエイターに変身する導線を築いてきました。
またクリエイターだけでなく、投資家や企業もどんどん集まっています。
この集客力はどのようにして生み出されているのか?
毎日、体験版で遊んでいて分かったことがあるので、いっしょにメタバースマーケティングの面白さをみていきましょう!
結論:めちゃくちゃ練られた戦略でため息
The Sandbox(サンドボックス)のAlpha(アルファ版)で遊んで感じた、運営側のマーケティングのポイントは3つありました。
ポイントを軸に解説します。
期待感の創出:厳選されたワールドの開放
The Sandbox(サンドボックス)のアルファとは『体験版』のこと。
今回はシーズン2で3/3~3/31までの開催です。
限られた期間に、限られたワールドでしか遊べません。
「今しか!」は最強の集客ワード。
ちょっとした事ですが“いつでもできる体験版”と“今しかできない体験版”では、ユーザーの食いつきは、まったく違ってきます。
フィードバック:バグやエラーの回収
Alpha(アルファ版)で遊んでいて、気づかれた方はいますでしょうか?
ワールドを選択できるページには、「Send Feedback」のバナーがあるんですよね。
つまり「いつでも修正点教えてね、対応します!」ということ。
もし、エラーやバグが正式リリース後にあちこちで発生していたら・・。
よくある「期待感→失望感」の最悪のオセロ返しになってしまいます。
今なら「体験版ですから!ごめんね、修正します!」で許される。
トライ&エラーを生々しく、現場にユーザーを招き入れてできるのは、Sandboxならではだと思いました。
実際、『ドラキュラ城』では、難易度が高く、攻略にも時間がかかり、バグですべてのクエストも完璧にでいないことが分かり、ツイートも荒れていました。
1週間後、再度チャレンジすると、数カ所、地形が変わっており、バグも直っていました。
宣伝部隊:コンテストの開催
The Sandbox(サンドボックス)のアルファ版といえば、名物の「Contest(コンテスト)」。
平日は毎日1回、お題が出されます。
参加者はお題をクリアして抽選券を集め応募すると、抽選で「Alpha Pass2」という特別なNFTを貰えます。(※日本在住ユーザーは配布予定はない、違うNFTを用意しているの情報もアリ)
Alpha Pass2の価値はとても高く、持っていると、仮想通貨SANDが貰えたり、次回以降の体験版でもインセンティブが与えられる可能性が高い。
そしてポイントなのは、だいたいコンテストのお題が、「スクショツイート」なんですよね。
めちゃくちゃ単純な仕組みなんですが、世界規模で参加者いるので、もすごいリプとRT数に。
宣伝部隊:VOXELITE集めと有名スポット巡り
ほぼ、どのワールドに入っても、定番の課題(クエスト)は、ボクセライト(VOXELITE)と呼ばれる、光る石を集めるのと、有名スポット巡り。
制作陣からすると、集めたり、スポットを巡るだけでワールドの隅々まで、必然的に見て貰える。
ワールド作成をした各プロジェクトチームは嬉しいでしょうし、プレイ画像や動画もツイートされる可能性も高い。
ここでも「勝手に宣伝」が生み出されていますね。
期待感の創出+宣伝部隊:先行者有利の仕組み
Contest(コンテスト)のお題の中に、たまに「今あなたが持っている抽選券の数をスクショして!」というものがあります。
抽選券は「Raffle」と呼ばれ、ワールド内の課題(クエスト)をクリアすると、増えていきます。
3/31のシーズン終了後に、抽選券を使い応募するとAlpha Pass2が当たる仕組み。
抽選券は多ければ多いほどいいですよね!
ここもポイント。
ただ体験版で遊んで課題(クエスト)をクリアしただけでは、最大値は手に入らない。
抽選券を増やせるので、みんなついついNFTを買ったり、ステーキングしたりしたくなる。
「チケット」ページをわざわざ、スクショさせるのは心理的に“ほらほら、他にも増やす方法あるよん~”という暗示にも似てる。
そして、もう1つの意味が「競争心をあおる」です。
自分の持っている抽選券の数をスクショすると、ついつい他の人の数量ツイートも気になるのが人の常。
あるあるですね。
世界規模でみると、それなりに存在すると思います。
前回のAlpha Season1の参加者が、持っている可能性が高いNFTやPass1に特典を付け、先行者有利を出す。
コンテスト企画で見せ合いを誘発し、期待感と競争心をあおる。
恐ろしいメタバースマーケティングですね・・。
- 限定と期待感で集客
- フィードバックでミスを減らし、ユーザーの声を聞く姿勢も見せる
- 自然と宣伝になり、クリエイターに興味を持つ可能性も増える
Alpha(アルファ版)でThe Sandbox(サンドボックス)の限界が見えた気もする
毎日、The Sandbox(サンドボックス)のAlpha(アルファ版)をやって、感じたことがいくつかあります。
今度はネガティヴな面。
ゲームやワールドの表現の限界
The Sandbox(サンドボックス)の醍醐味は、ボクセルで表現する世界。
アバターも地形も、アセットもすべてボクセルです。
想像以上に細かいところまで作り込まれていて、驚きます。
しかし、それゆえにゲームやアクション系のワールドだと、似たような遊び方に偏ります。
仕方ないけれど、パターン化が見えてきます。
でも、ボクセルの“くくり・限界”があるからこそ、クリエイターの創意工夫の差別化も生まれてくるのも事実。
今後の新しい発想に期待です。
展示NFTは見てもらえない?
体験版で遊んでいると、有名スポット巡りをすることがあります。
人気のNFT作品が展示されているところも含まれていますが、実際にはクリックして、ゆっくり見ることはないですね・・。
だって、欲しくても買えないですし。
『ただNFTを展示する』というものに、もう少し役割を持たせないと、ただのオブジェで終わってしまいます。
NFT×〇〇という特典やキャンペーンを絡めると、存在意義が増す気がしました。
日本人の弱み
The Sandbox(サンドボックス)を実際にプレイすると、すべて英語です。
ゲームインする前のHPでは日本語表示は可能ですが、遊んでいるワールド内の看板の指示やチャットは英語。
このままでは、日本人ユーザー向けのコンテンツにどうしても制限が出てきます。
極めつけは、法律?の影響か、Alpha Pass2の配布予定が、日本在住ユーザーにはないということと、mSANDを使ったステーキングもまだ開放されていません。
メタバースは、世界で共有し合う空間と時間なので、英語メインなのは仕方ないですね・・。
(逆に言うと、世界には開かれてるので、チャンス)
でもThe Sandboxって、まだAlpha(アルファ版)なんだよね
ネガティヴなことも説明しましたが、Sandboxって、まだAlphaの体験版なんですよね。
これまでの結果だけでは語りきれない「可能性」も見逃せない。
Binance、GUCCI、Adidasは本気を出していない
The Sandboxに参入を発表し、LANDを所有してる世界的企業に、Binance、GUCCI、Adidasがあります。
誰もまだ、どんなワールドで、どんなコンテンツが発信されるのか知りません。
これまでのメタバースマーケティングで引っ張られてきた参加者は、正式リリース後の世界に真っ先にリーチするでしょう。
大企業が生み出す、高品質の世界がThe Sandboxをもうワンランク、上げると思います。
期待感はまだまだ残されています。
16万通りのワールドやゲームの可能性
ワンパターン化しがちの印象だった体験版でしたが、それはほんの一部。
16万個以上のLANDから作り出される、今後のワールドやゲームの可能性にも期待大。
眠れる天才クリエイターたちが、アッと言うようなプロジェクトも生み出すでしょうね。
コラボ企画、NFTと絡めたキャンペーンなど、LANDの数だけ面白さがあるはずです。
日本人クリエイターの巻き込み
The SandboxにはCreator FundやGame Maker Fundという、クリエイター支援の仕組みがあります。
審査に合格すると、報酬が発生する契約で、Sandbox公式の作品やプロジェクトに参加できます。
3月上旬の時点で日本では30名ほど、現在ではもう少し増えているでしょう。
ボクセルのエディットであるソフトを使えば、今までクリエイターでなかった一般人も、アイデア次第では、仕事化できる環境があります。
アルファ版がきっかけで、レベルの高い日本人クリエイターも増えれば、日本向けのコンテンツ作りも進み、参加者も増えると思います。
自分の活動にマーケティングを転用できる
The Sandboxのメタバースマーケティングは、転用できるポイントが多いです。
あなたがNFTを販売するなら、どのように応用しますか?
- 限定感
- 宣伝
- 先行者有利
- 今だけ、〇〇した人だけ
- スクショツイート企画
- 初期参加者の優先
なにか、アイデアが浮かびそうではありませんか?
The Sandboxのキモはコミュニティで、UGC(User Generated Content)型のプラットフォームです。
全ユーザーが育てていくメタバースゲーム。
冒頭の「クリエイターが成功すれば、Sandboxは成功する」とは、言い換えれば、参加者がハッピーであれば、Sandbox全体も必然的に成長するということ。
プロジェクト、コミュニティ、全体で一緒に成長する・・。
海外の大手NFTプロジェクトと似ていますね!
\無料で遊べる・作れる/
The Sandboxのアルファ版を遊んでみて分かる、メタバースの面白さ<まとめ>
The Sandbox(サンドボックス)のすごいところは、遊びに来るユーザーを、クリエイターに近い領域まで近づけて、コミュニティ参加型のコンテンツに仕上げてきたところ。
ボクセルアバターと無料のEditorツールをセットで置くことで、みんな作りたくなっちゃいますよね?
そうやって、クリエイターへの種まきをしているのです。
実際、LANDやNFT売上の50%を、Fund資金に回すほど、手厚い支援態勢ですし、Sandbox内のマーケットプレイスでの販売では95%がクリエイターに渡ります。
運営が搾取することはありません。
ただのユーザーをクリエイターへ。
参加者がいつの間にか宣伝部隊へ。
限定感と期待感の掛け合わせ、そして、先行者有利。
いかにメタバースに引き込むかの戦略が、生々しく学べます。