この記事では、メタバースは流行らない。ただし「まだ」<人気定着に必要な3つの要素とは?>というテーマで展開します。
「メタバース」というキーワードが、世間でも少しずつ聞かれるようになり、新聞・TVでも特集が増えてきました。
僕のところにも取材申し込みがあり、今までにTV局が2件、新聞が1件、問い合わせがありました。
日頃からメタバースの企画に触れている身からすると、メタバースは流行らない、ただし「まだ!」という持論があります。
あなたはどう思いますか?
この記事で、「メタバースってどうなの??注目すべきなの?」と、悶々としてる人に刺さればいいなぁと思ってます。
結論、流行って大衆化された時には、ビジネス的にはもう遅いんですけどね…。
ただし、まだ、いろいろと間に合っていないのも事実!
メタバースがまだ流行らない理由を見ていきましょう。
メタバースが流行らない理由
メタバースが今すぐ流行らないのには、ちゃんと理由があります。
3つに分類できるので、順に紹介しますね。
1:デバイスが追いついていない
まず1つ目が、メタバースを体験するのに、デバイスが追いついてないこと。
PC、スマホにはかなりのスペックが要求されます。
VRをやろうにも、デカいヘッドセットを付けないといけません。
デバイス全体の小型化や高スペック化が進んでるとはいえ、「今すぐ」使いやすいか?となると、正直厳しい。
2:仕事に使えない
「流行る」くらい使われるには、日々の「仕事時間」にまで浸透する必要があります。
では、メタバースが仕事に使えるか?となると、これも厳しい。
いろんな準備をして起動させる手間も必要。
一部のプラットフォームでしか、テキスト、画像、動画データをサクサク送れない。
これなら、ZOOMやSlackで充分。
3:必要性がそもそもない
メタバースが流行らない一番の理由は、「必要性」がないこと。
メタバースでいけない理由が、社会全体で見い出せてないんですよね。
なぜ、メタバースショッピングモール?
なぜ、メタバース美術館?
なぜ、メタバース観光地?
作り手(特に企業)は良かれと思っても、受け手の一般人にとっては、どうでもいいのが現状。
メタバースの問題点を具体例で紹介
もっと、踏み込んでメタバースの問題点を具体的に見ていきましょう。
実際にメタバースでイベントを作ったり、海外のメタバースを触って、分かってきたことがあります。
ハイスペックなPCとスマホが必要
『The Sandbox』というメタバースプラットフォームがあります。
PCでアクセスすると、いきなりPCの「頑張る音」が響きますww
僕のPCスペックでなんとかアバターが動き回れる状況でした。
OS | Win10 |
---|---|
プロセッサー | 4コア 4.7GHz Intel Core i7 |
メモリ | 8GB |
グラフィックス | 2GB |
DirectX | バージョン12 |
ストレージ | 約256GB SSD |
『Cluster』はスマホアプリがあり、大変便利ですが、PC共に要求スペックが高め。
そもそもメタバース空間に入れなかったり、入ってもアバターが動かなかったり…。
ちなみにスマホは、iPhone11を使っていますが、めちゃくちゃ熱くなって心配になります。
iOS | iPhone X 相当以上 |
---|---|
Android | Google Pixel 3 相当以上 ・Chromebookは動作対象外 ・メモリ:3GB 以上 ・2GB 以下は動作対象外 GPU ・OpenGL ES 3.0 以上をサポート ・ASTCテクスチャ形式をサポート |
※PC(Win/Macに関してはコチラ)
そして必要と言えば、没入型のメタバースにはVRゴーグルが…。
ちなみに、VRヘッドセットの「Meta Quest 2」で重さは約500g。
想像してください、500mlのペットボトルを頭から顔面にかけて装着ですよ…。
首がっ!
でも一番の問題はパッ!とメタバース空間に入れないこと!
Load時間が長く、読み込みに時間がかかりイライラします。
コミュニケーション方法が限定的
現在の多くのメタバースプラットフォームでは、コミュニケーション方法が「音声会話とテキスト」だけです。
それでもいいような気がしますが、ちょっと不便。
が、サクサクできないメタバースが多いです。
海外プラットフォームだと英語しか使えませんし。
何かを送信したい時は、別でDiscordやLINEを開いておいて、実行するしかありません。
ただ、VRを使う没入型の中には、まだマシなものも。
Meta社の「Horizon Workrooms」などは、ヴァーチャルオフィスに特化していて、データのやりとりは可能です。
一部の人だけにしかメリットがない
現時点でのメタバースでも、恩恵を受けている人がいるのは事実です。
例えば、高齢者施設で利用者さんがメタバース体験をして、外出の喜びを感じる。
メタバースVRソリューションでは、そんな高齢者施設向けのVR体験会も行っています。
ニンジャ寺子屋では、学校と距離を置いている子供たちを中心に、ここだけでしか聞けない授業を展開中。
また、リアルのコミュニケーションが苦手でも、メタバースでの「飲み会」なら楽しく交流できる人たちもいますね。
このように、ある条件のもとでは、メタバースは需要があります。
しかし、大衆化して「流行る」となると、もっと違う何かが必要になってきます。
では、何が必要なんだろう!?
メタバースの人気定着に必要な3つの要素
では、どうすればメタバースの人気が定着して、流行るのか?
僕は3つの要素があると思ってます。
1:圧倒的な利便性
まず、メタバースに圧倒的な利便性が備わること。
「これがあるから便利だよね~」という域まで到達しないとダメ。
社会の課題に対してメリットがないと、広がりにくい。
今の重たくて、面倒くさいメタバースからは、まだほど遠いけれど、スマホ慣れしている人類を納得させるには、これらの条件が必須になりますね。
2:中毒性のある面白さ
メタバースでコンテンツを作る「理由」も大事です。
ビジネス使いだろうが、SNSの延長だろうが、メタバースはゲーム技術の延長だと思ってます。
ゲームの楽しさや「そんなことできるの!?」という、感動の血脈があるわけです。
やはりエンタメ要素から流行る方が、ずっと分かりやすいし、ウケやすい。
結局、メタバースだからこそ、体験できる新しい喜びがないと厳しい。
ゲームイベント系のメタバースや、参加型の謎解き、リアルでは実現不可能な乗り物や空間でのひとときなど。
芸能人と一緒に「脱出ゲーム」ができたら、ファンは嬉しいですよね~。
あと、ポルノ業界も進出するはず…。
性欲はメタバースでも需要ありそうです。(想像にお任せします)
3:新しい経済圏
最後がメタバースでの経済圏です。
ここがメタバースが流行る、最初の突破口になるのでは?と期待しています。
つまりメタバース関連でビジネスが発生し、企業や投資家が入り、クリエイターや一般人も参加し、経済が生まれるという意味。
さらに、ブロックチェーンやNFTが導入されているメタバースでは、デジタルデータも、より幅広くスピーディーに売買可能。
アバターのファッションアイテムや建物、ペットなども需要が出てくるでしょう。
リアル社会と似たような仕事が発生しそうですね。
「稼げるかも?」は、強烈な引き寄せになります。
メタバースが流行るためには、この分野が大きな鍵を握っています。
メタバースはすぐには流行らない。ただし「始まってる」
メタバースは利便性が低すぎて、まだ流行りません。
ただし、少しずつですが、「エンタメ性」と「経済圏」は動き始めています。
メタバースをビジネス面で成長させるには、ブロックチェーンとNFTは、大きな鍵になります。
特に個人でのマネタイズが発生しやすいのが、ポイント。
エンタメを体験するなら、Cluster
国内メタバースで、エンタメを体験するなら「Cluster」がオススメ。
誰でも無料でアカウントが作れ、Cluster運営から一般人までが制作した、メタバース空間『ワールド』に入ることができます。
リアルタイムで、日本中の“誰か”と、そこで出会うことができます。
宝探しやアスレチック、音楽イベント、勉強会、友達との密会ワールド…。
「面白い!」は大事な要素です。
ただし、Clusterは個人のマネタイズは厳しく、NFTやブロックチェーンとも絡んでいません。
The Sandbox
「The Sandbox」は、マイクラのようなボクセル3Dで作られたメタバースで、ゲーム要素が非常に強いです。
クリエイターが仕事を作りやすい環境が整っており、注目度No.1のメタバース。
NFT機能も備わっており、世界中の大企業が投資を始めています。
まだ開発段階ですが、アバター、建物、土地、ゲーム開発などで売買や入場料を設定でき、すでに収入を得ている運営公式のクリエイターさんもいます。
→【メタバース革命!】The Sandbox(サンドボックス)の始め方、稼ぎ方、遊び方
Roblox
「Roblox」は、全世界で2億人以上のユーザーがいる、最強のゲーミングプラットフォーム。
ユーザー自身がゲームを作れ、アイテムやアバターの衣装などでマネタイズができます。
ゲーム内通貨を稼ぎ、それを現金化できる仕組み。
さらには、NFTを導入していく流れもきています。
世界中の人が集えるコミュニティ要素も強まってきており、商機を感じた企業も次々と参入。
NFT×メタバースへの進化が始っています。
RobloxもブロックチェーンやNFTを導入していく流れがきていますね。
Zoa.space
Suishow株式会社が運営する「Zoa.space」は、NFT×メタバースに特化したプラットフォームです。
NFTマーケットプレイスも備え、2DのNFT画像から、アバターが装着できるTシャツを作るサービスも。
特徴的な仕組みが「NFTホルダーだけが参加できる、メタバース空間」というサービスも展開してること。
例えば「NFTホルダー限定のLIVEや秘密のお披露目会」など、ユーティリティとしても使えますよね。
ただし、まだワールドのバリエーションも乏しく、「NFTを飾るだけ」しかできないようです。
メタバースはまだ流行らないが、準備を怠るな
「エンタメ性」と「経済圏」は、メタバース大衆化のくさびになると思います。
「楽しいと収益化」は、多くの人を惹きつけるからです。
もちろん、課題は山積みですが、時代はようやく動き始めたばかり。
興味を持ってこの記事を読んでるあなたは、きっとイノベーターからアーリーアダプターあたりの人。
先行者で、感度の高い人ですね。
触れそうなメタバースプラットフォームはなるべく先に体験して、チェックしておきましょう~。
VRヘッドセットがなくても、参加できるプラットフォームも多いです。
ブロックチェーンへの接続には、Metamask(メタマスク)を用意。
アイテム、アバターの購入にはETH(イーサ)がよく使われます。
方法はコチラから。